英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業
原子力基礎基盤戦略研究プログラム
戦略的原子力共同研究プログラム
平成27年5月8日
文部科学省では、平成27年5月8日(金曜日)から平成27年6月25日(木曜日)17:00までの間、平成27年度国家課題対応型研究開発推進事業のうち、「英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業 原子力基礎基盤戦略研究プログラム」のうち「戦略的原子力共同研究プログラム」における新規課題の公募を行います。
「国家課題対応型研究開発推進事業」は、科学技術政策の遂行の観点から、国が直接実施する必要のある研究開発活動について、優れた提案を採択する競争的資金であります。この中に「英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業」も位置づけられます。
原子力に関する基礎的・基盤的研究は、原子力を支える技術基盤を高い水準に維持するとともに、新たな知識や技術を創出し、また、原子力を支える人材育成に資するなど、我が国における安全確保を前提とした原子力の平和利用を支えてきました。
基礎的・基盤的研究の実施に当たっては、高い研究目標の達成を目指し、研究者の意思を尊重し実施することが重要ですが、あわせて、国の原子力政策の方向性にも十分に留意する必要があります。
これまで文部科学省においては、原子力試験研究費制度によって、原子力政策大綱に示された原子力の研究開発利用に関する政策の基本方針に則り、各省庁の行政ニーズを踏まえた基礎的・基盤的研究を推進してきました。その後、これをより開かれた競争的な制度に改革するとともに、政策ニーズを明確にした戦略的なプログラム・テーマを設定し、重点化を図る観点から、新たな競争的資金制度として「原子力基礎基盤戦略研究イニシアティブ」を平成20年度に立ち上げ推進してきました。
平成27年度からは、「東京電力(株)福島第一原子力発電所の廃止措置等研究開発の加速プラン(平成26年6月文部科学省)」等を踏まえ、「英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業」を立ち上げ、その中で「原子力基礎基盤戦略研究プログラム(本事業)」を推進します。本事業により、早急な対応が求められる原子力分野の課題に正面から向き合い、課題解決に貢献していきます。具体的には、国内の原子力分野における知見や経験のみならず、様々な分野間の研究者が、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携することを通じて、原子力の課題解決に資する基礎的・基盤的研究活動を推進していきます。
一般的な原子力利用に係る安全研究であり、必ずしも発電用原子炉に関するものに限らず、研究炉やバックエンドに関するものも含めて原子力利用に係る安全性向上に資するもの。特に海外で拡大する原子力利用の諸局面において、我が国が安全性向上技術の優位性を獲得し、世界の原子力利用の安全をけん引するような斬新な技術開発に資するための研究、例えば、更なる安全性向上のための安全評価・実装技術、先進的な計装・制御システムの研究開発、抜本的な安全性向上のための新素材を用いた被覆管等の研究開発、事故耐久性の高い先進燃料の研究開発、安全上重要な機器の経年劣化メカニズムの解明、及び過酷事故回避関連技術の高度化等に係る基礎的・基盤的研究を推進する。
水素製造を含めた多様な産業利用が見込まれ、固有の安全性を有する高温ガス炉は、原子力利用の多様化への貢献が期待されているところであり、将来の実用化を見据えた要素技術の研究開発を着実に進めていくことが重要である。そのため、高温ガス炉固有の技術、熱利用技術の高度化に関する研究開発や高温ガス炉の安全性向上に資する技術等に係る基礎的・基盤的研究を推進する。
東京電力(株)福島第一原子力発電所の事故により生じた放射性物質による被ばく線量の低減や汚染に対する不安の解消等に資する研究を着実に進めていくことは、原子力利用を進めていく上で、重要な課題である。今回の事故を通じて得られた教訓を生かしながら、合理的な防護基準策定のための小児をはじめとした放射線感受性の定量的評価に関する研究や、低線量・低線量率長期被ばくの影響解明に向けた研究(内部被ばくに関する研究を含む)、放射線リスク低減化等に向けた研究等を推進する。
なお、除染に係る実証技術開発については募集対象外とする。
東京電力(株)福島第一原子力発電所の事故に伴って放出された放射性物質による健康や環境への影響についての国民の関心が高まる中、原子力の潜在的リスクの評価やそのマネジメントの在り方、事故が発生した場合の対応等に関して様々な社会的課題が顕在化してきており、国民をはじめとするステークホルダーとの相互理解の在り方等を踏まえた課題の解決に資する研究を推進する。
原子力利用の今後の在り方を考えていく上では、エネルギー源としての原子力のみならず様々な社会的・国際的課題の解決に資する技術革新につながる研究を行うことは重要である。そのため、これまでの既存概念の枠にとらわれない原子力利用の新たなシステムに関する要素技術等、強いインパクトを持った原子力に関する新たな知見の獲得や研究開発シーズを創出するための基礎的・基盤的研究を推進する。
○研究期間: 3年以内
○採択予定件数及び研究に要する経費
テーマ名 | 採択予定 課題数 |
研究経費
(1課題当たり年間) (間接経費を含む) |
|
---|---|---|---|
テーマ1 | 原子力利用に係る安全性向上のための基礎基盤研究 | 3課題程度 | 2,500万円以内 |
テーマ2 | 高温ガス炉に係る基礎基盤研究 | 3課題程度 | 2,000万円以内 |
テーマ3 | 放射線影響・低減に係る基礎基盤研究 | 2課題程度 | 1,500万円以内 |
テーマ4 | 原子力に係るリスクコミュニケーション等に関する研究 | 3課題程度 | 500万円以内 |
テーマ5 | 原子力の技術革新につながる基礎基盤研究 | 3課題程度 | 1,000万円以内 |
採択課題の経費規模に応じて課題数を決定します。
○募集開始:5月8日(金曜日)
○募集説明会(←こちらをクリック)
○募集締切り:6月25日(木曜日)17時:(厳守)
※ e-Rad(府省共通研究開発管理システム)を通じて、応募してください。
○書類審査:7月
○ヒアリング審査:7月~8月
○課題選定:8月
○事業開始:9月下旬以降
○文部科学省研究開発局原子力課
TEL:03-6734-4543
FAX:03-6734-4167
○科学技術振興機構 環境エネルギー研究開発推進部 原子力研究グループ
TEL:03-3238-7681
FAX:03-3238-7695
e-mail: initiaquery※jst.go.jp
(※を@に代えて御利用ください)
担当者:井上(いのうえ)、山本(やまもと)、住本(すみもと)
受付時間:10:00~17:00(土、日、祝日を除く)
○e-Rad ヘルプデスク
TEL:0120-066-877(フリーダイヤル)
受付時間:9:00~18:00(平日)