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令和2年度 英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業 国際協力型廃炉研究プログラム 選定課題

■国際協力型廃炉研究プログラム

■日英原子力共同研究:2課題
No. 提案課題名 研究代表者
[所属機関]
参画機関 概要
テーマE 先進廃炉科学研究
1 革新的水質浄化剤の開発による環境問題低減化技術の開拓 浅尾 直樹
[信州大学]
自然科学研究機構分子科学研究所、東北大学、Diamond Light Source 福島第一原子力発電所では、大量の放射性汚染水が発生している。これまでに吸着剤を用いた除染が進められてきたが、その使用済み吸着剤の廃棄量が膨大となり新たな問題となっている。また廃炉作業はこれから長い年月を要する作業であり、除染にかかるコスト削減も大きな課題である。これまで申請者らは、Srイオンを標的とする再利用可能な吸着剤の開発を目指した研究を行い、成功を収めている。更に最近の予備研究の結果、これまでとは全く異なる吸着剤作製法を新たに見出し、本作製法が通常煩雑な工程を必要とする造粒化工程を省くことができることから、製造工程の大幅な短縮と製造コストの大幅な削減が期待される。そこで、本研究ではこれまでの知見を踏まえ、この新たに開発した吸着剤作製法の詳細な検討と得られた吸着材の吸着性能評価の実施、そしてその再利用性の解明を通して、除染コストの削減と二次汚染物質の発生抑制を目指す。
2 無人航走体を用いた燃料デブリサンプルリターン技術の研究開発 鎌田 創
[海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所]
高エネルギー加速器研究機構、日本原子力研究開発機構、Lancaster University 燃料デブリ取り出し作業を加速させるために、日英共同研究体制の下、日本側が担当する耐放射線性を持ち、ガンマ線感度を極力低減すると同時に中性子検出効率を向上させた中性子検出器と、英国側が担当する強力な切削能と収集能を持ったエンドエフェクタ並びにマニピュレータを融合させた燃料デブリサンプリング装置を開発する。さらに、無人航走体へ搭載した燃料デブリ取り出しシステムの遠隔操作技術として、システム位置を同定する測位システムと、濁水中でも操作性を格段に向上させるために、デブリ取り出しシステムの目となる光学カメラ、ソナー、及び今回開発する中性子検出器の計数情報を仮想現実システムへ投影させる技術を開発する