No. | 提案課題名 | 研究代表者 [所属機関] |
参画機関 | 概要 |
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若手研究:2課題 | ||||
1 | ウラニル錯体化学に基づくテーラーメイド型新規海水ウラン吸着材開発 | 鷹尾 康一朗 [東京工業大学] |
日本原子力研究開発機構 | 海水中におけるウラン支配種であるウラニルイオン(UO22+)が他の金属イオンにはまず見られない平面5座配位を好むというユニークな錯体化学的特徴を示すことに基づいて海水ウラン吸着材の吸着部位となる配位子構造をデザインし、海水ウラン回収技術における既存課題の解決およびまったく新しい海水ウラン吸着材の開発を提案する。その第1フェーズとして、UO22+特異的配位能を有する平面5座開環キレート配位子の開発およびその基本性能評価を行う。 |
2 | 動作不能からの復帰を可能とする多連結移動ロボットの半自律遠隔操作技術の確立 | 田中 基康 [電気通信大学] |
- | 多連結移動ロボットは推進力を生成する機構(車輪など)をもつリンクを関節で直列に連結した構造であり、狭所進入性能と障害物乗り越え性能を両立した機動性の高いロボットであるが、関節部のスタック状態からの復帰が課題である。システムの冗長性の巧みな利用により、多連結移動ロボットがスタック状態から復帰するための制御方法の提案を行う。さらに、提案制御則を利用するためのインタフェースとして、スタック状態を認識できるような描画インタフェース、提案制御の目標指示を行うための操作インタフェースの開発を行い、検証用実機を用いてその有効性を検証する。 |
一般研究:5課題 | ||||
1 | 一次元光ファイバ放射線センサを用いた原子炉建屋内放射線源分布計測 | 瓜谷 章 [名古屋大学] |
日本原子力研究開発機構 | 福島第一原子力発電所の廃炉を進めるにあたり建屋内作業環境の放射線源の位置分布を把握するため、最も確実に汚染源の位置分布の把握を行うことができる密着型で、かつ「点」ではなく「線」に沿った放射線源分布が把握できる一次元光ファイバ放射線センサの開発を進める。具体的には、100mSv/h程度の線量率まで測定可能な飛行時間型一次元光ファイバ放射線センサと、Sv/hを越えるような高線量率場で利用可能な波長分解型一次元光ファイバ放射線センサの開発を行う。これらのセンサのプロトタイプ機の製作および実環境での利用を想定した性能評価試験を行い、建屋内作業環境の放射線源分布の把握に利用可能な放射線センサの実用化を目指すと共に、名古屋大のグループとJAEA廃炉国際共同研究センターとの協力体制を構築する。 |
2 | 低線量・低線量率放射線被ばくによる臓器別酸化ストレス状態の検討 | 鈴木 正敏 [東北大学] |
広島大学、大阪大学 | これまでに福島原発事故後の旧警戒区域で被ばくしている野生ニホンザルの臓器を解析し、老化の一因と考えられている酸化ストレスの誘発が臓器によって異なること、動物実験マウスの血漿では低線量域で抗酸化酵素活性が低下することを示してきた経験より、酸化ストレス状態と抗酸化酵素活性の変動を調べ、放射線被ばくの影響を受けやすい臓器を特定する。また、長期被ばくで酸化ストレス状態が持続するのか、あるいは適応して元の状態へ回復する可能性についても検討する。実験動物試料に加えて、人間に近縁な霊長類のニホンザル試料で検証し、人間の被ばく影響や廃炉作業時の安全管理に資する知見となることを目指す。 |
3 | 単一微粒子質量分析法に基づくアルファ微粒子オンラインモニタリングに向けた基礎検討 | 豊嶋 厚史 [大阪大学] |
(同一機関内連携) | 研究チームが有する「単一微粒子質量分析法」を応用し、微粒子・エアロゾル一個ずつが持つ粒径、化学組成ならびに含有放射性核種を同時にその場分析するとともに、オンラインモニタリング装置を開発することを最終目標とし、その足掛かりとして、保有する単一微粒子質量分析装置を用いて、模擬微粒子ならびに模擬エアロゾルを測定し、粒径分布や化学組成などの微粒子の基礎情報を得る。またレーザーイオン化効率、質量測定における検出感度などから本手法の適用可能性を明らかにする。さらに実験的な課題を洗い出し、次世代の単一微粒子質量分析法の開発へとつなげる。 |
4 | 幹細胞動態により放射線発がんを特徴付ける新たな評価系の構築 | 飯塚 大輔 [量子科学技術研究開発機構] |
東京大学 | 放射線発がんの起源細胞である幹細胞について、幹細胞とその子孫細胞を永続的にラベルできる細胞系譜追跡技術を用い、高線量~低線量放射線被ばく後の乳腺組織において、細胞の長期にわたるクローン性増殖を捉えそれを数理モデル解析することにより、被ばくした幹細胞の動態で放射線誘発乳がんを特徴付けることを目的としている。未だに見つかっていない「放射線の痕跡」を幹細胞動態で特徴付けることのできる新規評価系の開発することを最終目標とする。 |
5 | 耐放射線性ダイヤモンド半導体撮像素子の開発 | 大曲 新矢 [産業技術総合研究所] |
北海道大学 | 福島第一原子力発電所の廃止措置を加速するため、ダイヤモンドを用いた耐放射線性可視光固体撮像素子を開発する。開発目標として、ダイヤモンドトランジスタで電荷結合素子(CCD)の基本動作となる電荷転送動作をX線積算線量10MGy照射後の動作が実証されているダイヤモンドMESFETにて確認する。また、ダイヤモンド固体撮像素子が可視光における感度を得るために、中性不純物準位を用いた革新的ダイヤモンドフォトダイオードを試作し評価を行う。 |