No. | 提案課題名 | 研究代表者 [所属機関] |
参画機関 | 概要 |
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若手研究:6課題 | ||||
1 | 被災地探査や原子力発電所建屋内情報収集のための半自律ロボットを用いたセマンティックサーベイマップ生成システムの開発 | 河野 仁 [東京工芸大学] |
千葉工業大学、中央大学 | 災害時においてヒトの立ち入りが困難となった原子力発電所建屋内の状況調査を対象に、簡単・安全・迅速に複数種類の情報(空間線量,温度,障害物等)を含んだセマンティックサーベイマップを生成する半自律移動ロボットシステムの研究・開発(カメラシステム、セマンティックSLAM、移動経路学習及び安全な経路提示システム)である。 |
2 | 汚染土壌の減容を目的とした重液分離による放射性微粒子回収法の高度化 | 山﨑 信哉 [筑波大学] |
- | 福島第一原子力発電所の事故では、放射性微粒子や粘土鉱物の存在により、放射性セシウムは表層土壌において不均一に存在することとなり、これらの粒子を選択的に取り除くことで汚染土壌の減容に繋がると考えられる。放射性微粒子を選択的に土壌から取り除く手法の検討や、土壌の減容を目的とした、粒子の比重の違いを利用した分離法(重液分離法)の実用化の可能性について探る。 |
3 | ラドンを代表としたアルファ核種の吸⼊による内部被ばくの横断的⽣体影響評価 | 片岡 隆浩 [岡山大学] |
日本原子力研究開発機構 | 体内でα線を放出した際に周辺細胞に与える影響の推定、α線の被ばくによる個体レベルでの生物学的応答の検討を既に先行研究の多いα線放出核種のラドンを用いて影響評価により、α核種の内部被ばくによる健康影響評価モデルの構築を、研究組織の分野横断的な有機的連携を行うことで研究拠点形成を目指す。 |
4 | 炉心溶融物の粘性及び表面張力同時測定技術の開発 | 大石 佑治 [大阪大学] |
- | 炉心溶融物である(U,Zr)O2やボライドは非常に高温であるために、通常の測定方法では容器との反応が避けられず、熱物性の測定は困難なため、ガス浮遊法を用いて試料を加熱溶融させることで液滴とし、その液滴を基板に衝突させる。その衝突の一瞬の挙動から、粘性と表面張力を同時に導出する新しい技術を開発する。 |
5 | iPS細胞由来組織細胞における放射線依存的突然変異計測系の確立 | 島田 幹男 [東京工業大学] |
日本原子力研究開発機構、量子科学技術研究開発機構 | 組織間における突然変異率を検討する際に異なる個人間の細胞株を用い、それぞれの組織の突然変異発生率を評価していたために統一的な評価を下すのが困難であったが、近年のiPS細胞を始めとした幹細胞分野の生物学の技術革新により単一の細胞から組織細胞を分化誘導することが可能になったため、これらの技術を統合し、我々の研究室で樹立したiPS 細胞を用いて神経系、皮膚、血液系、循環器系の組織細胞を作製し、放射線照射後の各組織の突然変異率を計測して、組織による突然変異の違いを数理モデルの構築により評価する実験系の確立を目指す。 |
6 | レーザー共鳴イオン化を用いた同位体存在度の低いストロンチウム90の迅速分析技術開発 | 岩田 圭弘 [東京大学] |
日本原子力研究開発機構 | 東京電力福島第一原子力発電所の事故で環境中に放出された主要な難測定核種の一つであるストロンチウム90を、半導体レーザーを用いた共鳴イオン化により元素かつ同位体選択的にイオン化する手法に着目し、特に海洋試料等のストロンチウム安定同位体濃度が高い実試料を対象としたストロンチウム90の迅速分析技術を開発する。 |
一般研究:5課題 | ||||
1 | 放射性核種の長期安定化を指向した使用済みゼオライト焼結固化技術の開発 | 新井 剛 [芝浦工業大学] |
日本原子力研究開発機構、ユニオン昭和株式会社 | 継続して発生するCs等の放射性核種を吸着したゼオライト(使用済みゼオライト)の安定固化法の開発を目的とする。ガラス固化と比較して固化体の大幅な減容や焼成固化と同程度の安定な固化体の形成が期待できることから、使用済み吸着材に低融点のホウ酸ガラスマトリックスをバインダーとして添加し、それらを焼結固化することで核種を固定化する新たな固化法を提案する。また、コールド試験により焼結固化に適したホウ酸ガラスマトリックスの選定、焼結温度等を決定し、ホット試験により最適組成の固化体を用いて核種の移行挙動を調査し、新たな固化法の有効性の確証を目指す。 |
2 | 燃料デブリ取り出しを容易にするゲル状充填材の開発 | 牟田 浩明 [大阪大学] |
- | 本研究は、デブリ取り出しの簡易化のため、粘度を調整した高分子・ケイ酸塩・粘土鉱物などのゲル状物質であれば、破損部から漏れ落ちることもなく周辺の空間線量率を低減し、また切削時に生じるダストの拡散・飛散を抑制できることから、格納容器内部をゲル状物質で充填することを提案する。 |
3 | レーザー蛍光法を用いた燃料デブリ変質相の同定 | 斉藤 拓巳 [東京大学] |
日本原子力研究開発機構 | 本研究は、デブリの主要構成元素であるウランに着目し、酸化的環境で安定な6価ウラン(U(VI))に選択的な時間分解型レーザー蛍光分光(TRLFS)法を用い、様々な条件下でデブリ表面に生成する変質相の同定を行う。特に、極低温での測定を行い、蛍光収率を向上させ、ピーク広がりを抑えることで、さらなる高感度・高分解能測定を実現するとともに、量子化学計算や多変量解析、機械学習を援用することで、多成分、不均質なデブリ変質相の同定に繋げる。 |
4 | 過酷炉心放射線環境における線量測定装置の開発 | 岡本 保 [木更津工業高等専門学校] |
京都大学、大阪府立大学、宇宙航空研究開発機構、理化学研究所、日本原子力研究開発機構 | 東京電力福島第一原子力発電所(1F)の炉内及び建屋内は事故の影響で非常に高い放射線環境となっており、1F現場作業状況のニーズを踏まえた上で、放射線測定技術の開発が求められている。これまでの研究で、太陽電池素子を応用した線量計は、炉心付近の高線量率下での線量評価、非電源化・超小型軽量化、および高い耐放射線性を達成可能であることが検証されてきており、本研究は、この太陽電池素子による線量測定技術を基盤とした画期的な放射線計測システムの実用化に向けた開発を行う。 |
5 | レーザー加工により発生する微粒子の解析と核種同定手法の開発 | 長谷川 秀一 [東京大学] |
日本原子力研究開発機構、レーザー技術総合研究所 | レーザー加工は様々な長所を有するが、利用に際して多量の微粒子が発生することが知られており、放射性物質で汚染されている廃炉廃棄物に対する適用が躊躇されているが、その発生メカニズムは不明な点が多い。そこで、本研究は、その微粒子発生を基礎に立ち戻って検討するとともに、エアロダイナミックレンズを用いて微粒子を捕集することで粒径分布を測定し、さらに微粒子を構成する核種をレーザーによりオンラインで計測するための原理装置を開発する。 |