文部科学省では、平成26年5月2日(金曜日)から平成26年6月19日(木曜日)17:00までの間、平成26年度国家課題対応型研究開発推進事業のうち、「原子力基礎基盤戦略研究イニシアティブ」における新規課題の公募を行います。
「国家課題対応型研究開発推進事業」は、科学技術政策の遂行の観点から、国が直接実施する必要のある研究開発活動について、優れた提案を採択する競争的資金であり、この中に「原子力基礎基盤戦略研究イニシアティブ」も位置づけられます。
原子力に関する基礎的・基盤的研究は、原子力を支える技術基盤を高い水準に維持するとともに、新たな知識や技術を創出し、また、原子力を支える人材養成に資するなど、我が国における安全確保を前提とした原子力の平和利用を支えてきました。
基礎的・基盤的研究の実施に当たっては、高い研究目標の達成を目指し、研究者の意思を尊重し実施することが重要ですが、あわせて、国の原子力政策の方向性にも十分に留意する必要があります。
これまで文部科学省においては、原子力試験研究費制度によって、原子力政策大綱に示された原子力の研究開発利用に関する政策の基本方針に則り、各省庁の行政ニーズを踏まえた基礎的・基盤的研究を推進してきましたが、これをより開かれた競争的な制度に改革するととともに、政策ニーズを明確にした戦略的なプログラム・テーマを設定し、重点化を図る観点から、新たな競争的資金制度として「原子力基礎基盤戦略研究イニシアティブ(以下「本事業」という。)」を平成20年度に立ち上げました。
平成26年度は、東京電力福島第一原子力発電所事故によって新たに顕在化した課題の早期解決に資する基礎的・基盤的研究活動を引き続き対象とします。放射性物質による環境影響や原子力技術の安全性向上等に関する基礎基盤研究については、従前の機関や分野の壁を超えた緊密な連携を通して初めて達成できるようなテーマを優先して推進します。
また、新たに実施する英国との共同研究においては、原子力技術のグローバルな展開への礎石を築くような研究を対象として推進します。
発電用原子炉に限らず、研究炉やバックエンドも含めて広く原子力利用の安全性向上に資する基礎基盤研究を推進する。特に原子力利用の海外での展開において、我が国の安全向上技術の優位性を獲得し、世界の原子力安全をけん引できるような斬新な技術開発に資する研究提案を期待する。例えば、今般、エネルギー基本計画で位置付けられた固有の安全性を有する高温ガス炉の技術など、更なる安全性向上のための先進的な計装・制御システムの研究開発、抜本的な安全性向上のための新素材を用いた被覆管等の研究開発、事故耐久性の高い先進燃料の研究開発、安全上重要な機器の経年劣化メカニズムの解明、及び過酷事故回避関連技術の高度化などに係る基礎基盤研究を推進する。
放射性物質による被ばく線量の低減や汚染に対する不安の解消などに資する技術の研究開発が緊喫の課題である。除染作業の結果生じる放射性物質を含む廃棄物の管理・処理に係る技術や手法の開発・確立に加えて、小児をはじめとした放射線感受性の定量的評価に関する研究や、低線量・低線量率長期被ばくの影響解明に向けた研究(内部被ばくに関する研究を含む)等を通して放射線リスク低減化に向けた研究を推進する。
なお、除染に係る実証技術開発については募集対象外とする。
東京電力福島第一原子力発電所事故から得られた教訓を活かし、軽水炉(沸騰水型及び加圧水型)過酷事故に関する研究を、英国との協力により推進する。 具体的には、原子力発電所事故の事故進展シナリオ、シミュレーション、確率論的評価、過酷事故関連基礎データに関する検討等を通じた過酷事故の検証や過酷事故防止関連技術の向上に資する基礎的・基盤的研究を実施する。
東京電力福島第一原子力発電所事故から得られた教訓を活かし、原子力事故に関わる環境安全に関する研究について、英国との協力により推進する。具体的には、原子力発電所事故の結果生じる環境汚染に関わる住民への放射線影響の分析、多様な環境汚染の分析やモニタリング手法、放射性物質の環境動態予測技術、環境修復技術等を通じ、原子力発電所事故の環境影響の検証やその修復に資する基礎的・基盤的研究を実施する。
○研究期間: 3年以内採択課題の経費規模に応じて課題数を決定します。
○5月2日(金曜日):募集開始
○5月14日、21日:募集説明会
本プログラムの内容、応募の手続き等についての説明会を、以下のとおり実施します。
開催地 | 日時 | 会場 |
---|---|---|
東京 (定員120名) |
5月14日 (水) 14:00~15:30 |
JST東京本部(サイエンスプラザ) 地下1階大会議室 (定員120名) 東京都千代田区四番町5-3 http://www.jst.go.jp/koutsu.html |
大阪 (定員36名) |
5月21日 (水) 14:00~15:30 |
大阪大学銀杏会館 会議室C (36名) 大阪府吹田市山田丘2-2 http://www.office.med.osaka-u.ac.jp/icho/icho-jp.html |
※ 下記メールアドレスに、開催日、氏名、所属、電話番号、メールアドレスを御記入の上、お申込みください。
参加申込みメールアドレス:initiaquery※nrd.jst.go.jp
(※を@に代えて御利用ください。)
※ なお、本説明会へ出席しなくても応募は可能です。
○6月19日(木曜日)17時:募集締切り(厳守)
※ e-Rad(府省共通研究開発管理システム)を通じて、応募してください。
○6月~7月:書類審査
○7月:ヒアリング審査
○8月:課題選定
○9月下旬以降:事業開始
○文部科学省研究開発局原子力課
TEL:03-6734-4543
FAX:03-6734-4167
○科学技術振興機構 科学技術プログラム推進室 原子力研究プロジェクトグループ
TEL:03-3238-7681
FAX:03-3238-7695
e-mail: initiaquery※nrd.jst.go.jp
(※を@に代えて御利用ください)
担当者:日紫喜(ひしき)、山本(やまもと)、光武(みつたけ)
受付時間:10:00~17:00(土、日、祝日を除く)
○e-Rad ヘルプデスク
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